2012年11月11日日曜日

「靴磨きが株を語ったら手仕舞い」の逆は?

アメリカ第35大大統領ジョン・F・ケネディのお父さん、当時相場師として当時ウォール街でブイブイいわせていたジョセフ・P・ケネディは1929年のグレートクラッシュの直前、靴磨きの男が株式投資に精通してるのを見て暴落が近いと悟ったという逸話があります。まあこの逸話、カッコイイ作り話なんですが・・・でもこの手の逸話は多くの相場師で聞かれます。実際に誰でも彼でも株に手を出すようになったら相場はかなり加熱しているので、手仕舞った方がいいというのはよく言われていることです。

私も実際に、子供の頃に近所のオバチャン達が井戸端会議で「カブ」なるものの話をするのを見て、それから間もなく大騒ぎになっていたのを憶えています。インターネットバブルの時も、フジテレビだったかが「IT革命緊急特番」(たしか小倉智昭さんが司会で、「温泉地のせんべい屋もホームページを作ればいい儲かる」「小さなせんべい屋に世界中から100万袋も注文が来たら困る」みたいな激論が交わされ、まだ長髪だったホリエモンさんが「社長ごっこ」とバカにされてたのを鮮明に憶えています)みたいな番組を放送したのを見て、インターネット関連株を全て手仕舞ったのを憶えています。

じゃあ、その逆は?今さっきの出来事ですが、近所でお店をやってるオバチャンにいつも通り挨拶をして、ちょっと世間話をしたんですが・・・その中に「財政の崖」なる言葉が出てきて驚愕しました。関西のオバチャンでも知ってる財政の崖。もう、世の中ただでさえ景気が悪いのに、ますます景気悪くなると言ってボヤいてました。もしかして、ひょっとすると、サブプライム=リーマン危機以来の世界的な景気減速も、そろそろ底がほんのり見えはじめてきたんじゃないかな?だとしたら、今月に入って少々フライングで仕込み始めている私の外需株や景気敏感株達も、遠からず陽の目を見る日がくるのでは・・・あとひと押しあっても頑張れるかもと、おもいっきり勇気づけられる出来事でした。

2012年11月8日木曜日

習李体制の目玉は中国版「所得倍増計画」と「全総」になる???

 18大が始まり、胡錦濤は活動報告の中で、今後は都市と農村の格差是正に取り組み、2020年までに中国は「GDPと国民所得の倍増(2010年比)」を目指すと目標を掲げました。これは、名目成長率7〜8%を今後8年間に渡り維持するという表明でもあります。「地域間の均衡ある発展」と「国民所得の倍増」・・・どこかで聞いた様な文言ですが、日本の1961〜70年の政策を意識しているのは明らかです。恐らくそのための具体的な「基本計画」の様なものが近い内に発表されるでしょう。タイトルにも書いた通り、それは中国版「所得倍増計画」と中国版「全国総合開発計画」の様なものになるはずです。もちろん中共は日本の高度経済成長をよく研究しているので、名前倒れになった全総の様な政策にはならない様に用心深い計画を策定するとは思いますが・・・

 でも、世界の生産額の3〜4%の国が外貨獲得で生産額を倍増するのとはわけが違います。中国は2010年時点で既に世界の生産額の9.1%を占める超大国だったので、更に9.1%を世界から毟り取るとしたら、管理フロート制維持の恐ろしく暴力的な政策にならざるを得ないでしょう。中共のことですので、腹の底では「世界人口の20%を占める中国が、世界の富の20%を得て何が悪い」と思っているかもしれませんが、その反面、管理フロート制を維持したままでの更なる急成長は中共独裁を脅かしかねないインフレ圧力をもたらすでしょう。「パイは奪うよりも、増やした方が効率が良い」と考えるのが自然ではないでしょうか。

 中国は7〜8%の成長を維持しつつ、インフレ率を3%前後に抑えなければなりません。そのための施策がどの様なものになるか私が予想できるわけはありませんが、最終的に以下の様な流れになるんじゃないかなあと、個人的には、今のところなんとなく想定しています。

2012年11月1日木曜日

いよいよ党大会!習李体制へ移行後の中国はどうなるか?

8日、政党内の混乱で延びに延びた第18回党大会がようやく開かれ、10年間続いた激動の胡温体制が終わります。胡錦濤と温家宝は鄧小平が道を拓いた改革開放路線の急拡大と、そのための江沢民色払拭に心血を注いだ、中共の歴史に間違いなく名を残す政治家でした。全ての負の遺産を江沢民に押し付けることで新しい「中国」を印象づける手口は、胡温以前の中共同様に欺瞞と謀略に満ちたものでしたが、たとえそれを割り引いても、中国を世界第二位の経済大国にまで押し上げた功績は少しも色褪せることはないでしょう。

人民日報はこの10年を「邁進の10年、輝きの10年」と称えました。温故以前の10年間、更にはそれ以前の10年間の中国を思い出せば、間違いなく「邁進の10年、輝きの10年」と言ってよいでしょう。もちろん微博(中国版Twitter)上には「喪失の10年」「災難の10年」などと揶揄する声(その多くは20年前、30年前の中国を知らない若者の声)もありますし、インターネットの情報統制や「政府系ステマ」の存在は未だに世界水準でみれば自由とはかけ離れた姿ですが、それでも間違いなくこの10年で中国は自由へと向かっています。