2013年3月2日土曜日

FACTA3月号(2月20日発売)の記事まとめ

相場が良いので明るい話題にばかり目が行き、陰気な話題からは目を背けがちですが、こういったときこそ嫌なニュースにも目をむけましょう。FACTAの3月号について、遅くなりましたがすこし書きます。

1.愚かなり斜陽製造業「国有化」
(http://facta.co.jp/article/201303025.html)
「円高是正はもちろん必要だが、米国、欧州、韓国などと比較して日本は国内に競合する企業が多すぎる。それなのに競争力のない企業を国が救済するとはなにごとだ。これでは競争力のある企業が国内で消耗してしまうだけではないか」とFACTAは主張をしています。主にシャープのことを言ってますが、一理ありますね。ただ、自動車業界がそれなりに利益をあげていたにもかかわらず、競合企業の存在しないルネサスの経営が立ち行かなくなっているというのは、国内の産業構造に根本的な問題があるのではないでしょうか?
2.「提携絶望」沈没するシャープで内紛
(http://facta.co.jp/article/201303039.html)
もう自己資本比率が10%を割り、これ以上赤字を出せば債務超過が見えてくるというのに内紛なんかしてる暇はないぞということです。記事の内容的には目新しいことはなく、ホンハイを連れてきた町田相談役もインテルを連れてきた片山会長も互いに譲らず、しかもどちらも「国の力は借りない」といってきかないという話です。おそらく最も実用性の高いIGZO技術を持つシャープに手を貸したい企業は世界中にあるにもかかわらず、町田相談役(および奥田社長)と片山会長との二重権力状態にホンハイもインテルも不信感を抱いたのでしょう。経産省もそろそろシャープの内紛には辟易しているとか。

3.SBI「嘘の上塗り」200億円対韓出資
(http://facta.co.jp/article/201303018.html)
今月の北尾さん叩きは現代スイス貯蓄銀行への200億円出資。グループ合わせて毎年100億円の赤字を出す現代スイスに200億円も出資して、「ちゃんとやればなんとかなる」ってなんとかなるわけないだろうと。スゴく簡単にまとめると、2006年に8億円出資して業績が低迷したところで諦めればよかったものを、詐欺師まがいが経営するこんなクズ銀行に200億円もナンピンするなんて、北尾さんってバカなの死ぬの株主バカにしてるの???って内容でした。

4.「脱同族」で竹中工務店が上場する日
出光、サントリーとともにかっては「非上場御三家」と呼ばれていた竹中工務店の話。3月28日付けで創業家以外から初めて宮下副社長が社長に昇格しますが、CEOは会長に退く竹中現社長が兼務して、宮下新社長はCOOでは世間が言ってるような「脱同族」じゃありませんよと。それでも、跡継ぎはまだまだ実績に乏しく、スーパーゼネコン5社の中で先日の中間期赤字だったのは竹中工務店だけだったことから、同族経営の限界がみえており遅かれ早かれ創業家は隅に追いやられることになるかもしれませんね。