2012年9月27日木曜日

「美しい国へ」

世の中には首相になることがゴールの議員がたくさんいます。そういう議員にとって、メディアによる苛烈で陰湿で執拗な攻撃に遭い、志半ばで退陣せざるを得なかった者の思いなど知る由もないでしょう。朝日新聞社は「安倍晋三の葬式はうちで出す」という社是の下、彼への幼稚な攻撃を再開するはずです。未だに真相を知らないまま、朝日新聞の書いた見当違いでデタラメな見出しを口にし、彼を笑い者にする人も多いままです。

党は既得権益に対する闘争者を守らず、メディアは「戦後レジーム」を死守するために捏造まがいの政権批判を世に送り出し、国民はそれに踊らされて国家元首を物笑いにする…そんな国のために命を賭す価値があるのかどうかもわかりません。でも、彼はそこに再度自ら飛び込んで命を賭けようと決断した。次は首相の首ではなく、メディアは間違いなく命を取る気で攻撃するでしょう。並大抵の決意ではなかったはずです。そうした思いを、今日投票した議員の内どれほどが彼と共有できているというのでしょうか?
安倍首相が退陣した時、日本という国はもう終わったのだなと思いました。メディアが日独伊三国同盟を煽り、国民は踊らされ、最後まで抵抗する海軍が笑い者にされ、軍部が太平洋戦争へと暴走していったのと同じ様に、破滅まで突き進むしかないのだと思っていました。首相経験者が政治の表舞台に戻ってくることはほぼあり得ないことだし、なにより、そこは生半可な気持ちでは戻ってくることのできない茨の道なのですから。

でも、この国にはまだ運がありました。彼は茨の道でも正しい道を選ぶ、確かにそんな人間でした。そして総裁選の顔ぶれを見た時、石破さんは絶対に過半数を取ることはない、安倍さんは二位以内に入りさえすれば決選投票で勝てる、そう誰もが予想したはずです。結果、安倍さんは二位に食い込み、決選投票で新総裁に選ばれました。そこには、どうあっても「安倍晋三」という人間を歴史の表舞台に押し出そうとする、抗えない強い力が働いているかの様です。

まだ彼が首相になれるかどうか、そもそも自民党が政権を奪還できるかどうかもわからない状態です。それでも、日本は超えてはいけなかった一線までようやく戻ろうとしています。平成バブルが崩壊して以来20年以上も止まっていた時間が、もしかしたら今日この日からようやく動き出したのかもしれない、そんなことを思った一日でした。