2013年4月27日土曜日

バブルは必ずやってくる、それだけは断言できる

「日本株は5合目を過ぎたと思う」

最近、とある個人投資家のスカイプ友達と久々にお話をしたのですが、そのとき彼は上のようなことを口にしてました。今時分に5合目過ぎたなんてわりと悠長だなあと思いつつ、いろいろ話をしてみたら意外と意見が合ってビックリ。

まず第一に彼もかねがね「金融緩和のみでもドル円100円、日経平均13000円は一瞬で届く」と言っていたこと。私自身もみんかぶで去年の9月26日の日記のコメントに対するリプライで、自信なく書いてます。当時こんなことを言うと頭がおかしいと思われましたが(彼はお構いなしで言ってましたが)、今これをバカにするひとは一人もいません。だって、ホントにそうなっちゃったから。

第二に、黒田総裁を含む安倍政権が金融と外交の舵取りを間違えなければドル円の目処は福井レートの110円で、その場合の日経平均は2007年の18000円が峠になるという話。米経済が堅調であることが必要条件ですが、安倍さんがミスをしなければその辺までは行くのではないかと。そこまでは「バブル」ではなく必然という点でも同意見でした。

第三点として、日経平均が18000円の峠を越えて更に上を目指した場合、バブル相場に突入する可能性が高いと。22000円がpoint of no returnで、それ以降は大きなバブルの形成と崩壊を繰り返して最終的に100000円までいっても驚かないと、彼は以前から言ってる様です。もちろんその場合、インフレ率もそれ相応でしょうね…。一方私は、彼ほどは自信たっぷりではありませんが、今の日本にはバブルになる典型的な下地ができつつあると前々から思ってます。

でも彼の考えは更に前衛的で、もしバブルなった場合のことも大胆に予測しています。「日本の少子化問題が一気に解決するかもしれない」と。これにはさすがにビックリしましたが、彼の見立てでは「西欧先進諸国の国民と日本国民は根本的に価値観が違う。結婚・出産を軽視した個人主義はいずれ反動がくる。」と。…それはどうかなあと思う反面、世の中人口減が前提の議論ばかりでこういった意見はあまり聞いたことがなく、とても新鮮でした。また、「若者たちは本能的にデフレ社会では消費を先延ばしし、インフレ社会では収穫を先延ばしにする。デフレが続けば、人生最大の収穫の先延ばしである結婚や出産をしたがるはずがない」とも。当然、少子化が解消に向かう気配だけでも地価は一気に跳ね上がるでしょう。

第四点として、日本経済がなぜバブルに突入する可能性が高いか。これについて彼はいろいろと小難しいことも言ってましたが、「いずれバブルを知らない貧困な日本の若者が消費の喜びを知って、歯止めが効かなくなる。」という話は明快で面白かったです。月の小遣いが2万円の高校生が大学に入って月20万円の不労所得(仕送り)を手にしたら、よほどシッカリした若者でもお金の使い方は変わるものです。そして月10万円の不労所得しか持たない大学生は、10万円以上のアルバイト収入、あるいはそれ以上の投資収益を得て同じだけ消費しようとする。これと似た小さな消費ブームがそこかしこで起こり、小さな消費が更なる消費を生むことでバブルがはじまるかもしれない、ただしこれにはインフレ経済が前提条件だ、と。私も前々から「バブルを知らない世代が次のバブルをつくる」と言ってきたので、この説明には素直に納得せざるをえませんでした。

そして彼と私の意見が一致した最後の点、最も重要な点は「今のうちからバブル崩壊に備えておかないと、バブルになってしまってからでは手遅れになる」といったこと。ガルブレイズも言ってる通り、バブルはいずれ「轟音と共に」崩壊します。でも、バブルの熱狂と陶酔はそのことをしばし忘れさせてしまいます。逆に誰もがバブルの崩壊を必然と考えている今は、まだバブルではないともいえるわけですが…。バブルの中で正気を保ち続けるためには、バブル前からのポジションが重要だと彼は言っていました。私も同感です。

もちろん、全然意見が合わない話もたくさんありましたが、彼との一時間ほどの会話は本当に有意義でした。今のところバブルは絵に描いた餅に過ぎません。その前に一度ドル円60円台、日経平均7000円台の地獄を味わう可能性すらあります。でもバブルはいつか必ずくる、それだけは間違いありません。その先を見越すことはなかなか難しいことですが、上の様な話が少しでもお役に立てたら幸いです。