日本海事新聞 2012年2月12日(火)
1月下旬から本格化している定期船社と日系大手荷主との2013年輸送契約交渉(運賃交渉)は、前年に比べて値上げ基調で動いているようだ。大型船の竣工が相次ぐため需給環境は良くないが、定期船社の収支は依然として厳しいため、どこも本社がプライシング(価格設定)を引き締め傾向にしているためだ。現時点では運賃を下げて貨物を取りに行こうという“積極策”をとる船社は出ておらず、今のところ粛々と各交渉が進んでいる。ただ、値上げ基調とはいえ「本社が求めている(運賃水準)には届いておらず、上げ幅も若干にとどまる」(外船社の営業担当)という声も聞こえる。(以下略)
今年はメガコンテナ船の大量竣工が控えており、船腹需給は確実に緩むため、海運各社はかなり警戒しています。しかし、①欧州危機の終息、②日本の電機・家電メーカーの業績回復、③アメリカでの景気拡大、④東南アジアの成長など、需要の拡大要素も多く、また日本と東南アジアの成長国ではメガコンテナ船を受け入れるターミナルの整備が遅れており、しばらくは一定の船腹需要、一定水準の運賃が保たれるのではないでしょうか。