2013年2月12日火曜日

国内外の船舶投資ファンド、LNG船への投資に積極姿勢

日本海事新聞 2012年2月12日(火)
 LNG(液化天然ガス)船への資金需要が今後急速に拡大する見通しだ。米シェールガス(非在来型ガス)の輸出が開始されるほか、豪州の新規プロジェクトが相次ぎ開始されることが主因。海運大手3社は2011-12年に国内電力、ガス向けを中心に合計15隻のLNG船を発注済み。LNG船は現在、世界で380隻が運航、将来的には450隻の船腹が必要になるとの試算もある。船舶投資を行う国内外のファンドもLNG船への投資には積極姿勢をみせており、日本関連のLNG船だけで新規に40隻強、船価換算で8000億円規模の資金需要になる見通しだ。(以下略)

 LNG船は船価がとても高いので、シェールガスブームや原発の停止、天然ガス開発・利用の拡大はLNG船で実績のある造船各社にとって大きなチャンスになっています。特に、2012年の韓国造船業界の業績は海洋プラントとLNG船でどうにか持ちこたえていたといっても過言ではありません。日本国内では三菱重工や川崎重工が円安でどこまで受注を増やせるか。また、シェールガスブームは大型のLPG船(VLGC)やケミカル船の市況にもよい影響をもたらすはずです。今後もこれらの船腹は需給逼迫が予想されるので、海運各社は新造船の発注を進めなければいけません。しかし、特にLNG船の船価の高さは造船各社にとっては福音ですが海運各社にとっては大きな負担になってしまいます。よほど余力のある海運業者でなければ船腹の拡大は厳しいです。となれば、船舶のレバレッジドリースを手がけるリース会社はきっとよだれを垂らして近づいてきてることでしょう。