2013年1月21日月曜日

李明博「援助する側になり国の格が上がった」

「銀行に行く時はいい服を着て行く、税務署に行く時はみすぼらしい服を着て行く、その場その場で態度を変えないと損するのは自分。」
イーユンの母は商売人なので、小さい頃から何度も何度もそう言い聞かせられてきました。他人を見るとき、例えば株を買おうと思った企業の経営者を評価する時にも、しかるべき場での態度が悪くないか、また変な虚栄心がないかは重要です。

李明博さんが今朝のラジオ演説で、「わが国の歴史で、今より国格が高いことはかつてなかった」と言って自分の在任中の功績を誇示していたそうです。その理由として、2010年にOECD開発援助委員会に加盟し、援助される側から援助する側になったことを挙げています。「国格」って日本語は馴染みがないので、いまいち何を意味するのかピンときません。でも、どうやら「援助できるくらいお金持ちになった」といった感じのことを言っているみたいです。去りゆく身とはいえ、通貨高の危機が迫っている先進国の大統領の発言としてはどうなんでしょう。
それにしても、韓国のニュースには「国格(국격)」という言葉がしばしば出てきます。日本語で「格」といったとき、「品格」とか「人格」とか、気高さや尊厳の様なものを想像するのではないでしょうか。でもニュースの中で「国格」という言葉に出会ったときの印象はかなり違います。日本語には多分「国格」というい言葉はないので想像するしかありませんが、なんとなく、韓国の方々は「格」というものの高低によって偉い国と偉くない国が存在するという価値観を持っているようです。ちょっと不思議な考え方ですね。

韓国は1997年のIMF救済以来、GDP比で大幅な貿易黒字を計上し続けてきました。これまでは日本が更に大幅な貿易黒字を計上していたので目立たず自由にウォン安介入することができました。しかし、日本が貿易赤字に転落したことで、韓国によるウォン安介入は近隣窮乏化政策として糾弾される土壌ができつつあります。韓国の中央銀行がいかに声高に「円安阻止」を唱えようとも、大統領がその危機的状況を十分に理解できずに「我が国は偉い」などと言っているような国では、今の円安ウォン高の傾向が長期に渡って続くのではないでしょうか。