2013年2月8日金曜日

円安で日本の造船各社に引き合い活発化

日本海事新聞 2012年2月8日(金)
 長く低迷が続いた新造船マーケットの潮目が変わりそうだ。為替の円安傾向により、日本の造船各社にとって新造船の受注環境が整ってきたのに加え、需要サイドの海運から引き合いが活発になってきたため。造船サイドは円安傾向の行方をにらみながら、引き続きステップ・バイ・ステップで新造船を受注していく構え。
 日本の政権が交代した2012年12月前後から始まったドル高修正の前は、新造船価低迷以前に新造船の引き合いそのものが極めて限られていた。
 潮目が変わってきたのは昨年末、外国為替市場で円安トレンドが定着してから。新造船を受注しやすい環境となってきたのに加え、日本の造船会社の船台が韓国・中国に比べ相対的に空いていたため、船価チェックを目的としたものを含め「引き合いは目に見えて増えている」(新造船営業関係者)。(以下略)

 まだ新造船の発注は限定的ですが、海運各社の目は円安で着実に日本の造船業者に向き始めています。特に日本の船は中国や韓国に比べて燃費の面で競争力が高く、環境にも優しいため、「できれば日本の船で」と考えている海外船主は少なくありません。また、韓国が造船で日本を抜いたのが2000年前後ですが、その頃のばら積み船やコンテナ船が耐用年数を迎える時期にきており「次は日本の船で」という声は更に大きくなるでしょう。これまでは超円高でどうしても製造コストで勝る中国勢、韓国勢に押され気味でしたが、円安基調が定着すれば2014年は受注ゼロどころか「日本造船業復活の年」になるかもしれません。