2013年1月15日火曜日

株式相場の6つのフェイズ

 長期間での株式相場は(恐らく地価も)大きく分けて拡大、陶酔的熱狂、暴落、総悲観、淘汰、縮小と待機の6つのフェイズに分けられます。常に、相場は今どのフェイズにあるのかを見据え、それぞれのフェイズに合った投資判断が必要となるとのことです。

1.拡大
 この時期はいわゆる循環物色が何巡も繰り返され長期間に渡って株価が高騰する。専門家と呼ばれる人たちの間でも楽観論と懐疑論との鍔迫り合いが観られる。また、ひとりの専門家を見ても楽観論と懐疑論とを行ったり来たりする。長期投資ならば投資資金を蓄える時期と考えるべき。出遅れ銘柄や見逃されている銘柄を買い、明らかに行き過ぎた銘柄を手仕舞う時期。

2.陶酔的熱狂
 総楽観の状態で、専門家と呼ばれる人たちの意見も楽観論に大きく傾く。何かしらの理由をつけて「上昇相場はいつまでも続く」と言い始める。土地神話、SCM、デカップル・・・などといったもっともらしことを言い始めたら大相場も終わりが近い。将来性の高い銘柄以外は徐々に手仕舞ってポジションを小さくしていく時期。

3.暴落
 暴落がなぜ起こるのかは未だによくわかっていない。しかし陶酔的熱狂がしばらく続くと、ゆっくりと値を下げるのではなく、ある日突然暴落が起こる。一回目の暴落の後、一旦相場を持ち直して株価が更に急上昇することも多い。ただしこの時点で市場心理はかなり不安定になっており、陶酔的熱狂の状態では見落とされていた問題も明らかになるため、いずれまた暴落が起こって相場は終わりを告げる。ここで買えば落ちるナイフを掴むことになる。

4.総悲観
 大相場が終わると急速に市場は凍りつき、総悲観に突入する。こうなると売りが売りを呼び、ネガティブなニュースは全て売りに結びつくため、大企業も新興企業も関係なく株価をズルズルと下げ続ける。長期投資にとってこの時期が一番の買い場になるが、暴落期との区別が難しく、また総悲観の期間は意外と短い。バブル崩壊の犯人探しが始まり、巨額詐欺事件などが俎上にあげられることで「暴落期を脱したんだな」と知ることも多い。

5.淘汰
 総悲観がややおさまってくると、「健全な市場の選別が働き優良な銘柄が生き残る。」などと言う人が現れる。この頃、指標や業績の未来志向が横行するため、多少数字が悪くても「悪化は鈍化している」「過去の数字だから大丈夫」「現時点の数字は良くなっているはず」という楽観的な話が聞こえてくる。この期間は優良なグロース銘柄が株価を上げ始める反面、変化出来なかった大企業はビックリするほど株価を下げ続ける。

6.縮小と待機
 淘汰が進む中で損切りも進むが、損切りが一巡した後は長期間にわたり市場が縮小し、株価も低調な薄商いの時期が続く。しかし、この時期は次の拡大期に入るきっかけを待っている時期でもあり、きっかけを見つけては小さな拡大と縮小を繰り返す。小さな損失を気にせずに次の拡大期に向けて安値に放置された銘柄を買い進める時期。

 一番むずかしいのは「今はいったいどのフェイズなんだ?」という判断です。それがわかればこんな楽なことはないのですが、こればかりは簡単にはいきません。そこで経済指標をいかに読み解くかといった熟練がひつようになってくるわけです。経済指標が良くなったから買うとか悪くなったから売るといった投資行動は良くて並のリターン、大抵は高値掴みの安値切りになってしまいます。でも、「相場のフェイズ」という考え方さえ弁えていれば、使い方次第で強力な武器になるので、勉強しておいて損はないのではないでしょうか。