2013年1月23日水曜日

三光汽船、2月末の更生計画策定を目指す

日本海事新聞 2012年1月22日(火)
 三光汽船は、2月末を提出期限に設定している東京地裁への更生計画案の提出に向け、同計画の作成を急いでいる。現時点では2月下旬までに作成、提出する方針。ただし、足元の海運市況ではケープサイズ、プロダクト(石油製品)船などが同社運航船の損益分岐点を上回るが、パナマックスなど利益確保が困難な船種も存在。三光汽船はスポンサー選定を継続するとともに、更生計画案の調整が遅れた場合、2月末以降に計画策定が延期される可能性もある。(以下略)

 三光汽船は非上場の中堅海運業者ですが、1985年に続き、昨年2度目の会社更生法の申請して現在再建中です。2007年からの株主資本比率の推移を見ると、


52%→56%→63%→(民主党政権)→57%→52%→7.6%

といった感じで、再上場を目指して着実に再建に向かっていた三光汽船は民主党政権ができると同時に採算性が悪化し始めました。民主党が日本経済に与えたいかに打撃がいかに大きかったかがわかります。三光汽船が1985年に一度倒産した理由がプラザ不況であったことを考えると、日本経済に対して民主党の及ぼした悪影響はプラザ合意レベルだったとさえいえるかもしれません。
 何はともあれ、三光汽船が更生計画案を策定するには、資本を充実させるためのスポンサーの確保と、月次収支の黒字化が前提条件です。市況は必ずしも芳しくありませんが、民主党が政権を退き円安基調が続いていることは三光汽船にとって好材料です。三光汽船は日本郵船、商船三井、川崎汽船に次ぐ海運会社であり、しかも創業から独自路線を貫いてきた日本海運業のひとつの象徴として、どうにか再建を成し遂げ再上場を果たして欲しいものです。私はIPOには基本的に応募しませんが、三光汽船は応援したいから、もし再上場する日が来たら損得抜きでたくさん買いますので。