2012年11月11日日曜日

「靴磨きが株を語ったら手仕舞い」の逆は?

アメリカ第35大大統領ジョン・F・ケネディのお父さん、当時相場師として当時ウォール街でブイブイいわせていたジョセフ・P・ケネディは1929年のグレートクラッシュの直前、靴磨きの男が株式投資に精通してるのを見て暴落が近いと悟ったという逸話があります。まあこの逸話、カッコイイ作り話なんですが・・・でもこの手の逸話は多くの相場師で聞かれます。実際に誰でも彼でも株に手を出すようになったら相場はかなり加熱しているので、手仕舞った方がいいというのはよく言われていることです。

私も実際に、子供の頃に近所のオバチャン達が井戸端会議で「カブ」なるものの話をするのを見て、それから間もなく大騒ぎになっていたのを憶えています。インターネットバブルの時も、フジテレビだったかが「IT革命緊急特番」(たしか小倉智昭さんが司会で、「温泉地のせんべい屋もホームページを作ればいい儲かる」「小さなせんべい屋に世界中から100万袋も注文が来たら困る」みたいな激論が交わされ、まだ長髪だったホリエモンさんが「社長ごっこ」とバカにされてたのを鮮明に憶えています)みたいな番組を放送したのを見て、インターネット関連株を全て手仕舞ったのを憶えています。

じゃあ、その逆は?今さっきの出来事ですが、近所でお店をやってるオバチャンにいつも通り挨拶をして、ちょっと世間話をしたんですが・・・その中に「財政の崖」なる言葉が出てきて驚愕しました。関西のオバチャンでも知ってる財政の崖。もう、世の中ただでさえ景気が悪いのに、ますます景気悪くなると言ってボヤいてました。もしかして、ひょっとすると、サブプライム=リーマン危機以来の世界的な景気減速も、そろそろ底がほんのり見えはじめてきたんじゃないかな?だとしたら、今月に入って少々フライングで仕込み始めている私の外需株や景気敏感株達も、遠からず陽の目を見る日がくるのでは・・・あとひと押しあっても頑張れるかもと、おもいっきり勇気づけられる出来事でした。

2012年11月8日木曜日

習李体制の目玉は中国版「所得倍増計画」と「全総」になる???

 18大が始まり、胡錦濤は活動報告の中で、今後は都市と農村の格差是正に取り組み、2020年までに中国は「GDPと国民所得の倍増(2010年比)」を目指すと目標を掲げました。これは、名目成長率7〜8%を今後8年間に渡り維持するという表明でもあります。「地域間の均衡ある発展」と「国民所得の倍増」・・・どこかで聞いた様な文言ですが、日本の1961〜70年の政策を意識しているのは明らかです。恐らくそのための具体的な「基本計画」の様なものが近い内に発表されるでしょう。タイトルにも書いた通り、それは中国版「所得倍増計画」と中国版「全国総合開発計画」の様なものになるはずです。もちろん中共は日本の高度経済成長をよく研究しているので、名前倒れになった全総の様な政策にはならない様に用心深い計画を策定するとは思いますが・・・

 でも、世界の生産額の3〜4%の国が外貨獲得で生産額を倍増するのとはわけが違います。中国は2010年時点で既に世界の生産額の9.1%を占める超大国だったので、更に9.1%を世界から毟り取るとしたら、管理フロート制維持の恐ろしく暴力的な政策にならざるを得ないでしょう。中共のことですので、腹の底では「世界人口の20%を占める中国が、世界の富の20%を得て何が悪い」と思っているかもしれませんが、その反面、管理フロート制を維持したままでの更なる急成長は中共独裁を脅かしかねないインフレ圧力をもたらすでしょう。「パイは奪うよりも、増やした方が効率が良い」と考えるのが自然ではないでしょうか。

 中国は7〜8%の成長を維持しつつ、インフレ率を3%前後に抑えなければなりません。そのための施策がどの様なものになるか私が予想できるわけはありませんが、最終的に以下の様な流れになるんじゃないかなあと、個人的には、今のところなんとなく想定しています。

2012年11月1日木曜日

いよいよ党大会!習李体制へ移行後の中国はどうなるか?

8日、政党内の混乱で延びに延びた第18回党大会がようやく開かれ、10年間続いた激動の胡温体制が終わります。胡錦濤と温家宝は鄧小平が道を拓いた改革開放路線の急拡大と、そのための江沢民色払拭に心血を注いだ、中共の歴史に間違いなく名を残す政治家でした。全ての負の遺産を江沢民に押し付けることで新しい「中国」を印象づける手口は、胡温以前の中共同様に欺瞞と謀略に満ちたものでしたが、たとえそれを割り引いても、中国を世界第二位の経済大国にまで押し上げた功績は少しも色褪せることはないでしょう。

人民日報はこの10年を「邁進の10年、輝きの10年」と称えました。温故以前の10年間、更にはそれ以前の10年間の中国を思い出せば、間違いなく「邁進の10年、輝きの10年」と言ってよいでしょう。もちろん微博(中国版Twitter)上には「喪失の10年」「災難の10年」などと揶揄する声(その多くは20年前、30年前の中国を知らない若者の声)もありますし、インターネットの情報統制や「政府系ステマ」の存在は未だに世界水準でみれば自由とはかけ離れた姿ですが、それでも間違いなくこの10年で中国は自由へと向かっています。

2012年10月31日水曜日

Pさんの雌鶏

ある晴れた朝、Pさんは市場に出かけたとき、美味しそうな鶏を見つけました。
「ご主人、この鶏はいくらだい?」
「これは雌鶏だから肉代が5ドル、卵代が銀貨10ドル、合わせて15ドルでいいよ。」
Pさんは15ドルを払って、鶏を抱えてホクホク顏で家に帰りました。
「ハニー、雌鶏を買ってきたぞ。これから卵がいっぱい食べられる。」
Pさんがそういうと、P夫人は呆れた顔で言いました。
「ダーリン、それは雌鶏じゃなくて雄鶏よ。卵は産まないわ。」
そうです、Pさんは5ドルの雄鶏を15ドルで売りつけられていたのです。気づいても後の祭り、市場に店はなく、主人は逃げおおせてました。
「どうするのダーリン?」
P夫人はからかい半分でそう聞きます。


2012年10月26日金曜日

のびる会社の社長の部屋はキレイ?

友達の中で、この人の部屋はキレイそうだな、ってひとはスグにわかるものです。実際に家に行くと、そういう人の部屋はいつ行ってもキレイに掃除されています。しかもたまたまそういう人の実家なんかに行く機会があると実家も掃除が行き届いてたりします。おそらく、部屋をキレイにするということが小さい頃からの習慣として身に染みついているのでしょう。そういう人はキレイな部屋を維持することを苦に感じたりしないものです。

逆に、部屋がちらかっていそうな友達も一目でわかります。そういう人の家に行くと、たとえ一回目に行ったときはキレイに掃除してたとしても、二回三回と遊びに行くうちに私が来ることにだんだん慣れてきて、ついにはいつ行っても散らかったままになったりします。きっと最初は一念発起したのでしょう。でも、散らかしグセは身についたものなので、簡単には治らないし、隙あらば洗濯物はソファーを埋め尽くそうと、書類はデスクに積み上がろうとするようです。

2012年10月24日水曜日

バブル、バブル、またバブル・・・今のアメリカはやっぱりバブル?

サブプライムショックのとき、貧乏人から金を毟り取ろうとしたしっぺ返しで世界は本当に痛い目に遭いました。ここにきてダウは、また史上最高値に迫ろうとしてますが、よく考えたらあれからまだ4年しか経っていません。その間、ユーロ危機や東日本大震災といろいろあって、もう遥か昔の話のように感じられますが・・・

サブプライムショックは、リーマン・ショックもコミコミで、ごくごくありがちな不動産バブルでした。規模こそ水爆級の超ショックでしたが、その中身は不動産価格上昇と不動産投資法人の永久機関がレバレッジをどんどん押し上げて、不動産の下落局面入りしたことでゼンマイが壊れて永久機関が急激に逆回転したという、20世紀初頭から何度も、何度も、何度も繰り返されてきた典型的なバブルの崩壊でした。ただし一点だけ、多くのバブルとは大きく異なる点があります。

2012年9月30日日曜日

新規公開株「トレンダーズ(6069)」の投資判断

私はIPOやPOは基本的に買わないので今回も買わないけど・・・興味のある方もいるかと思うので・・・

トレンダーズ株式会社
仮条件:2,300円 ~ 2,550円
需要申告期間:2012年10月02日~
募集価格確定:2012年10月10日
抽選日:   2012年10月11日
募集期間:  2012年10月12日〜
払込期日  2012年10月18日
上場日  2012年10月19日
申込数単位  100株

2012年9月28日金曜日

今月の売り買い「持たざるリスクにどこまで耐えますか?」

アタリマエのことですが、株は買わなければキャピタルゲインが得られません。資産が増えるチャンスもその分失われます。いわゆる「持たざるリスク」と呼ばれるものが発生してしまうわけです。この言葉、証券会社の脅し文句みたいであまり好きじゃありませんが・・・

今月は、本当はほとんど買いを入れる気がありませんでした。もうちょっと安くなるかな〜?と思っているので・・・でも、待ってどのくらいの利益が期待できるかと、持たずに上げて得られない利益とを天秤にかけたとき、いくらか現金を株に変えておこうと思い、以下に買いを入れました。

2012年9月27日木曜日

「美しい国へ」

世の中には首相になることがゴールの議員がたくさんいます。そういう議員にとって、メディアによる苛烈で陰湿で執拗な攻撃に遭い、志半ばで退陣せざるを得なかった者の思いなど知る由もないでしょう。朝日新聞社は「安倍晋三の葬式はうちで出す」という社是の下、彼への幼稚な攻撃を再開するはずです。未だに真相を知らないまま、朝日新聞の書いた見当違いでデタラメな見出しを口にし、彼を笑い者にする人も多いままです。

党は既得権益に対する闘争者を守らず、メディアは「戦後レジーム」を死守するために捏造まがいの政権批判を世に送り出し、国民はそれに踊らされて国家元首を物笑いにする…そんな国のために命を賭す価値があるのかどうかもわかりません。でも、彼はそこに再度自ら飛び込んで命を賭けようと決断した。次は首相の首ではなく、メディアは間違いなく命を取る気で攻撃するでしょう。並大抵の決意ではなかったはずです。そうした思いを、今日投票した議員の内どれほどが彼と共有できているというのでしょうか?

2012年9月20日木曜日

FACTA10月号(9月20日発売)の記事まとめ

白い白鳥に興味のない私にとっては退屈な相場が続くのかと思ったら、日銀による国債買い入れ枠の拡大に対して、少なくとも市場は全否定の反応でしたね。当面はリスクオンの流れになるよと誰かが言っていたけど、どうなるんでしょう…黒い白鳥は来るのでしょうか、来ないのでしょうか。

それはさておき、FACTAの10月号が出ました。他の雑誌の記事はそんなに気にしてませんが、FACTAは時々鋭い切り口で個別銘柄を槍玉に挙げるので読むようにしています。実際、FACTA関連銘柄の株価がその後低迷することも珍しくないですし…。今回はFACTA10月号の気になった記事を簡単に紹介します。

2012年9月17日月曜日

福澤桃介式? お金と資産の増やし方

今月の貯金箱の中味は14,049円でした。マネックスの口座ができたので、カードが届いたら今月はマネックスに入金しようかな(*゚∀゚)

もう何年くらい続けているでしょうか。ワタシは日々小銭をウサギの貯金箱に貯めて、毎月お給料日前後になると開くという儀式を続けています。小さい頃はお手伝いしてもらったつり銭の小銭とか、おこづかいの残りとかを貯金箱に貯めて、月一で銀行に持っていったものです。

元はといえば、父親が豪快な人で家中に小銭を落として歩くのを、母親が拾い回って貯金箱に入れたのが始まりです。小銭の量が増えてくると貯金箱には入りきらなくなり、貯金箱はいつしか缶かんになり、その缶かんもどんどん大きくなって、最後には子供では持てない様な大きさになったのを憶えています。とはいえ、どれだけ小銭が貯まったのかを見せても父の性格は簡単にはなおるわけもなく、その代わりに私が母親の性格を引き継いで、「塵も積もれば」と言いながらせっせと小銭を貯める様になったわけです。

2012年9月12日水曜日

不動産セクターで丸焦げになる方法

私がバリュー投資を勉強する前に読んだ本で、今でもとても役に立ったと感謝しているものがあります。それは金森重樹さんという人が書いた「借金の底なし沼で知ったお金の味」という本。この本のお陰で、それまでまったく興味がなかった簿記を勉強したし、金森さんみたいに20代で年利24%の借金を1億円以上負っても生きていればなんとかなるということも知りました。でもそれ以上に役に立っていることがあります。「新興デベロッパーには手を出すな」という教訓です。

金森重樹さんというひとがどういうひとなのかは全然知らないのですが、先に述べたような経緯があったあとで不動産業でお金を稼ごうと考えたとき、まずはデータを集めてデベロッパーの販売戸数ランキングの変遷を確認したそうです。そうしたところ、驚いたことに「財閥系・鉄道系以外のデベロッパーは、過去にどれだけ売上があろうとも10年でTOP10から消え去り20年で潰れる」ということに気づきました。

2012年9月11日火曜日

新興市場の成長銘柄に対する投資判断

投資の一番の醍醐味は、上場して日が浅く出来高の小さい銘柄に目をつけ、その将来性を見抜き、企業の成長とともにキャピタルゲインを得るところにある。みんかぶで有名な明かりさんがプロフィールに書いている「ソフトバンクを4450円で買って15万円で売った」という話などはその典型だろう。(※ちなみにイーユンもほぼ同時期にわけもわからずトランスコスモスという会社の株を買いましたが・・・これは単なるビギナーズラックです(笑))

そう考えたとき、投資家にとって「新興市場は宝の山だ」・・・と言いたいところだが、実際はゴミの山でしかない。しかし丹念に探せば、そのゴミの山の中にも宝かもしれない企業がいくつかある。今回は、そうした「宝かもしれない」企業の中から、ここ数年しっかりとした足取りで成長している以下の企業10社を取り上げて紹介したい。

対象企業:エムアップ(3661)、ベクトル(6058)、リニカル(2183)、ブレインパッド(3655)、リブセンス(6054)、メディア工房(3815)、さくらインターネット(3778)、エスクリ(2196)、トレジャー・ファクトリー(3093)、駅探(3646

【収益性ベスト5】・・・ROI(総資本経常利益率)の過去4年平均
1位 リブセンス(56%)

2012年9月10日月曜日

大学発ベンチャーに投資する際の心構え

今はこの通りちゃらんぽらんに生きている私イーユンですが、こんな私も実はその昔、某大学のバイオ系研究機関で産学連携らしきものに参加したこともありましたし、特許案件の何件かに名前を入れさせてもらってたこともありました。その関係で…
「イーユンは大学発バイオベンチャーには興味ないの?」
…と、もう何十回もいろんなひとに聞かれてきました。その心は、投資しないのかという意味のこともあったし、参加しないのかという意味のこともあったし、起業しないのかという意味のこともありました。その都度、曖昧な笑みを浮かべてお茶を濁してきたわけですが…

企業の研究と大学の研究は根本的に違うものと考えた方がよいでしょう。

企業の研究費は利益を生み出すための原資でなければなりませんので、本来その研究成果が製品開発に結びつき需要を創出することが前提で研究が進められます。もちろん、実際にはそう簡単ではなく、特に大企業ではしばしば落とし所のない研究に資金とマンパワーが投入されることになりますが…それでも、企業の研究は大学の研究とは全く異なります。

2012年9月9日日曜日

「貯金」するなら銀行より証券会社の方が安全だった!?

最近、外貨建て資産をつくらなきゃなあと思いいろいろ調べてます。
大学入る前後からだからもう10年以上株や外貨を売買してきましたが、
証券会社とかの制度についてはホント全く知らないんだなあ・・・と
今更ながら自分の無知にびっくりすることばかりです。

まず、銀行の外貨預金はペイオフの対象外というリスクがあります。
じゃあ、FXとか外貨MMFとかの場合はどうなんだろう?
・・・と思ってちょっと調べてみて驚いたんですが、
結論からいうとこれらは倒産しても全額保証されるみたいです。
これってスゴくないですか?え?ふつうのコトですか?(汗)

証券会社には「分別管理義務」というものがあるそうです。
つまり、「ワタシの物はワタシの物、カイシャの物はカイシャの物」
といった感じで厳格に線引きして管理しているので、
経営破綻しても外貨MMFは(当然それ以外も)まるごと戻ってくるらしい。

2012年9月6日木曜日

巨大クレジットバブルが崩壊したら絶好の買い場が到来する?

ITブームのとき「ニューエコノミー」という素敵な言葉が流行りました。ITによって在庫調整が進んで景気循環はなくなるとか言ってました。サプライチェーンマネージメントなんて言葉が流行ったのもこの頃です。誰かが「ニューエコノミー」なんて言い出した頃、ドラッカーはすぐさま「90年前にもそんなこと言ってたな〜」と返したとか。

デカップリング論なんて言葉も流行ったことがありました。アメリカが景気後退しても、経済規模の拡大した新興国がなんとかしてくれる!!というものだったと思います。でも世界は以前よりも更に結びつきが強まる一方。ギリシアやスペインが風邪をひいただけで中国が動揺するというのに、アメリカが死んだらまさか人類が滅亡するのでは?と思わせるほどです。

サブプライムローンブームなんてのもありました。貸し倒れになりそうなボロボロの住宅ローン債券を詰め合わせにして、ご丁寧にリボンまでつけて市場に流すとなぜかAAA金融商品になるというイリュージョン!結果は世界を恐怖のどん底に陥れ、リーマンブラザーズを吹き飛ばし、クライスラーを叩きのめし、あやうくシティとAIGまで消し飛ぶ寸前まで行いきました。

2012年9月3日月曜日

なぜ恋人に振り回されない人は投資に強いのか?

バフェットは、市場のことを「情緒不安定なミスターマーケット」と呼びました。

ミスターマーケットはかなり頭がおかしい男です。私が「いやいやそれは高すぎて買いたくないですよ…」と言った次の日に、何を考えてるのかもっと高い値段で売りに来たかと思うと、「え!?なんでそんな安く売ってくれるの?アタマ大丈夫???」と思って買った次の日に、なぜかもっと安い値段で売りに来たりといったことは日常茶飯事です。

だから、投資家ならみんな知っていることだと思いますが、投資というのはポートフォリオの管理ではなく、自分自身の心の管理なのです。高値の次の日にもっと高くなれば、もう手の届かないところに行ってしまうのではないかと誰だって不安になります。安値で買った次の日に更に安くなれば、自分の買ったものの価値を誰だって疑います。根っから投資に強い人は、生まれつき冷たいハートを持っている人です。あの躁鬱気味のミスターマーケットに振り回されないくらいだから、恋人に振り回されるとか家族に振り回されるとかそういうのとは無縁の人なんじゃないでしょうか。

2012年9月1日土曜日

1ドルの価値はもはや60円前後まで低下している

昨日のジャクソンホールは肩透かしもいいところで、市場もほとんど反応しませんでした。そして何よりも、更なる量的緩和は望んでいないというFRBの心理がバーナンキさんの言葉の端々に見え隠れする講演に終わりました。

確かにFRBのQE1とQE2はアメリカのデフレ征伐に成功しました。でも失業率の方はというと、こちらは急激に悪化してしまっています。失業率を改善するため追加の金融政策を行う意志はあると昨日バーナンキさんは述べましたが、おそらくそれは量的緩和ではないでしょう。

その理由のひとつは、FRBは量的緩和と呼ばれる非伝統的金融政策がインフレと失業率上昇を同時にもたらす可能性が無いかを見極める必要があって、それにはまだしばらく時間が必要だから。

まさかの首都直下型地震リスクヘッジ株の投資判断

ゼネコンの株価は平成バブル崩壊以来長期の低迷状態にある。3.11以降一時的にいくらか盛り返したものの、最近になって再び3.11以前の水準にまで値を戻そうとしている。

しかし個人的には、優良ゼネコン株の保有は、可能性が示唆されている南海トラフや首都直下型の地震が起こった際のリスクヘッジにもなるのではないだろうかと考え始めている。

また、2020年夏季オリンピックの開催国を決めるIOC総会を一年後に控え、東京オリンピック開催の可能性を見据えて安値で買い叩けるゼネコン株を一銘柄くらい持っておくのも悪くないだろう。現状ではイスタンブール開催が濃厚ではあるが、メダリスト銀座パレードに50万人もの観衆が集まったのを見てからというものその考えをさらに強くした。

そこで、これまでゼネコン株にはほとんど注目して来なかったが、スーパーゼネコンから中小地方ゼネコンまで経営・財務・指標を概観し、購入に価する銘柄を抽出してみた。

ゼネコン株の指標一覧

ゼネコン株の指標一覧

2012年8月30日木曜日

コモディティバブルの終焉は間近…?

つい一週間くらい前まで「ユーロ危機やらソブリン危機やら先の見えない時代だから、信じられるのは現物しかない。だから資源国通貨が買いだ!」とまことしやかに言っている方々がたくさんいたのを、みなさん、憶えていらっしゃるでしょうか?そんな話を信じてオーストラリアドルを買っていた方々は、オーストラリアの7月住宅建設許可件数をどんな気持ちで聞いたのでしょう。

ここ十年来のコモディティバブルは、原油高以外は明らかに中国の莫大な需要に後押しされたものでした。2009年に一時的に減少しましたが、その後は盛り返し、再び資源需要が拡大を続けていました。それが証拠に、2010年、2011年と中国のPPI(生産者物価指数)は高い伸びを示しています。これは、株安と4兆元景気刺激策によって溢れ出た資金が不動産にまわり、不動産バブルが促成されたためです。結果、不動産バブルによって鋼材等の需要も拡大し、コモディティバブルは延命、資源国通貨は息を吹き返したのでした。

ところが、今年に入って状況は一変しました。

2012年8月29日水曜日

乾汽船の投資判断

乾汽船(9113
既にPBR0.25まで低下し業界最低レベル、中国バブルの影響があったとはいえ株価は既にピーク時の6%以下まで低下している。株主資本比率は連結で70%、単独で90%と非常に高い。海運全体がこれだけ悪いと今後も下げ続ける可能性は高いが、下値はそれほどないのではないだろうか。長期投資ならば今の水準で買っていても利益は出せそうだ。ただ、テクニカルはまだ下げるといっているので、底を探りながら小出しに買い下がるのが安全か。

商船三井がついに10年ぶりの200円割れ


商船三井(9104)がついに10年ぶりの200円割れとなりました。

株の神様はいつもドラマを用意しています。川崎汽船(9107)の株価が日本郵船(9101)を超えた時には「ついに郵船超えか・・・」と、海運株が好きな投資家はみんなショックを受けました。

2012年8月28日火曜日

西薗仁さん関連銘柄の投資判断

個人投資家として大量売り買いで時々名前が出てくる西薗仁さんですが、今回シーズメンという企業の大株主になった。
・・・まあ、西薗仁さんと面識もないしシーズメンという企業も知らなかったわけだが、とりあえず5%ルール報告を記念して、西薗仁さん関連銘柄の銘柄分析を行いたい。

JPNホールディングス(8718
ROEが3年連続で5%以下で来年の予想も5%以下の時点で私ならばチェックすらしない。
事業内容もサービサーかと思ったらアウトソーシングをしてたり保育園経営をしたり一貫性がない。(以下本当はいろいろ書いたがアレなので自粛)

シーズメン(3083

2012年8月27日月曜日

ROE(株主資本利益率)の魔力

ROEは、その企業が株主資本に対してどれだけ利益をあげたかを計る指標で、要は我々投資家が投資したお金をどれだけ効率的に活用したかを表しています。

もっと端的にいうならば、その企業が毎年どれだけ価値を増したかを表しているわけなので、極論すれば株価は一年毎にROEと同じだけ上昇するはずと概算できます。

ROEという指標自体は昔から存在しており、バフェットが最も重視する指標の一つとして有名ですが、最近になってまた注目され始めています。例えば最近雑誌で、「リーマン後の騰落率を見ると高ROE銘柄の平均は大幅プラスで、日経平均との乖離が非常に大きい」という、なんとも当たり前な結果が大々的に紹介されました。こんな記事を間に受けた個人投資家が「ROEだ!高ROE銘柄を狙え!!」と果敢にも高ROE銘柄や高ROE銘柄らしきものをド天井でフライングゲットして焼け野原になる様子が目に浮かぶわけですが…

ROEは間違いなく最も重要な指標のひとつです。

2012年8月26日日曜日

私が海運株を買えない理由

今は一株も持ってませんが、私が一番好きなのは海運株です。
海運株では株初心者の頃からたくさん勝たせていただきました。

そしてその海運株は今歴史的な安値に突入しています。

歴史上、海運不況が起こる原因は大きく2つに分けられます。
1.急激な円高
2.船の需給バランスの崩壊
1980年代の海運不況はプラザ合意後の急激な円高が最大の要因です。
また20世紀初頭に起こった二回の海運不況は、日露戦争や第一次大戦時に民船徴用で需要が増えて
船を建造しすぎた反動が最大の原因だと言われています。
では、現在の海運不況の原因は何でしょう?

2012年8月24日金曜日

人民元を買いたいけど買うのがコワイ

先に言っておくと、私は以下のことをずっと昔から信じていません。
・人民元は絶対に上がる。共産党が倒れでもしない限り暴落はしない。
・日本国債は日本人が円建てで買ってるから絶対にデフォルトしない。
以上は、下がらない通貨は無いし通貨は必要以上に印刷したくなるものという信念と、踏み倒されない借金は無いし誰だって借金は踏み倒したくなるものという信念と、みんなが口をそろえて言っていることはだいたい正しくないという信念からです。

それはさておき人民元の購入のためにじぶん銀行の口座を開設しました。1人民元あたり往復80銭かかるのは覚悟の上でです。でもさすがにこれだけ景気刺激景気刺激言われると人民元には手を出しづらい。

去年「人民元は下がらないの?」といろんな賢い人に聞いた時はみんな口をそろえて「人民元は絶対に下がらない」と10個も20個も人民元が下がらない理由を聞かされてうんざりしましたが、正直1CNY=8JPY=0.1EURくらいの価値しか無いんじゃないかと思ってたし、今でもそう思ってる。・・・まあもとを正せば、「日本国債の金利が上昇して円が暴落するんじゃないか?」という不安から、円を避難させる通貨を探してたんですが・・・
避難先の候補は以下の3つ。

素晴らしきかな長期投資

長期投資の素晴らしさは、地合いで株価が値を下げることはむしろ大歓迎であるという点ではないでしょうか?地合いで下げただけならばそこが絶好の買い場。同じ理由で材料下げも一時的な材料ならば歓迎できます。

しかも長期投資だから時間はたくさんあります。1年で2倍とか3倍とか、そんなに頑張る必要はありません。平均+20%/年運用できれば10年で6倍、20年で28倍、30年後には200倍以上に・・・たった100万円の種銭でも数億の老後資金になって返ってくるかも?

・・・まあ、年+20%で運用するのが難しいんですけどね(笑)

(8/26に記入)

2012年8月23日木曜日

アルゴリズム取引でブラックマンデーの再来?

アルゴリズム取引がそろそろ大きな問題を引き起こすのではないかと最近不安になることがあります。

アルゴリズム取引は既にあらゆる市場に入り込んでいます。このことが中央銀行による介入を昔よりも困難にしているのではないでしょうか?例えば、介入によりボラティリティが急上昇すれば流動性が一時的に低下する可能性があるりますが、流動性の急激な低下は、アルゴリズム取引全盛の現代の市場においてフラッシュ・クラッシュを引き起こしかねません。一歩間違えばヘッジファンドや投資銀行を次々とふっ飛ばしてしまう危険性すら・・・。

アルゴリズムは日々洗練されており、1987年にプログラム売買がもたらしたといわれるブラックマンデーの様なことは起こらないだろうと言う人達もいたのに、実際、2010年5月6日には、流動性の急激な低下によってダウが数分間で1000ドル近く暴落したこともありました。結局のところ、ソロスがプログラム売買の危険性を指摘した20年間以上前から何も変わっておらず、売買高とリスクだけが膨らんでしまったんでしょうね。

(8/26に記入)

「落穂ひろい」


今は嵐の前の静けさ

ネズミは着々と逃げる算段を立てている

近い将来危機再燃でユーロ安が急激に進行し

これを引き金に市場は大混乱になる

一時的にマネーはドルと米国債に逃げるが

その後はまた円が独歩高の局面に入る

中国は更なる金融緩和で事態を打開しようとする

双日、伊藤忠商事、日本板硝子、旭硝子の投資判断

双日2768
2012年度、双日は純損失を出している。ただし2012年度も含め長期に渡り経常利益は出ており経営は悪くはない。PBRは0.5を切っており、株価も最高値の15%程度まで落ち込んでいることを考えれば、今後日本が景気回復の局面に入れば即座に反応し、株価は2~3倍になると考えらえられる。まだ下げるだろうが非常に面白い銘柄。

伊藤忠商事8001
ROEは伊藤忠商事が素晴らしい(20%超)。PERも低い(5%以下)。今後も数年にわたり伸び続け、5年以内に1200~1800円くらいの株価にはなっているだろう。ただし、PBRは1前後あり、最高値の30%まで値を下げた後に50%くらいまで戻してしまっている。ソブリン危機などの影響で一時的に再度500円前後まで押す局面は十分考えられるので、その場合10年程度の長期保有目的で少し買っておうかとも思う。だが5年で3000円まで戻す見込みが無ければ800円では面白みがない。

2012年8月3日金曜日

メディカル・ケア・サービスの投資判断

メディカル・ケア・サービス2494
・ROEが年々上昇し、30%を超えている。
・自己資本比率を年々積みましている。
・PERは5-6倍と長い間極めて低い水準に保たれている。
 これは恐らく名証セントレックスであることが原因。
 JASDAQや東証ならば今の地合でも9倍程度が妥当。
・東証の上場審査基準から、近日中に上場するだろう。
 「流通株式時価増額10億円」→35億円
 「連結純資産10億円」→25億円
 「直近2年の経常利益総額5億円」→19億円
・ただし平均年収はあらゆる企業の中で最低水準。
・離職率もあらゆる企業の中で最低水準
・従業員数は非常に多く、平均年齢は高い。
・ツクイ vs メディケア で比較すると・・・